ドイツのケーキといえば、何が思い浮かびますか?多くの方は「バウムクーヘン」ではないかと思います。
日本では人気のあるバウムクーヘンですが、不思議とドイツではあまり見かけません。実はバウムクーヘンは、特別な時に食べられるお菓子なのです。
そこで今回は、ドイツにおけるバウムクーヘンついて紹介していきます。ドイツのおすすめのバウムクーヘンショップもお教えします!
1. バウムクーヘンとは
バウムクーヘンは日本でよく売られている為、食べたこともある方も多いと思います。
「Baum」はドイツ語で「木」、「Kuchen」は「ケーキ」を意味します。断面が木の年輪のように見えることから、こう名付けられました。
日本では、「バウムクーヘン」と「バームクーヘン」の二通りの表記がされていますよね。一応この二つには違いがあるそうです。
2. バウムクーヘンとバームクーヘンの違い
「バウムクーヘン」表記の物は、伝統的な材料と手順で作られたものと決められているようです。ドイツにはマイスター制度があり、マイスター制度がある職種では、どこにいっても同じ方法で行われるという前提があります。
ドイツはルールに厳しい国なので、バウムクーヘンだと決められた方法で作ることが当たり前なのです。そのため、どこのお店に行っても、単に “BAUMKUCHEN” と書かれたバウムクーヘンは全く同じ製法で作られたということになります。
バウムクーヘンの基本的な材料は、小麦粉 (Mehl)、バター (Butter)、砂糖 (Zucker)、卵 (Eier <Pl>)、バニラ (Vanille)、塩 (Salz)です。分量は小麦粉 1:バター 1:砂糖 1:全卵 2 と決まっています。はちみつ (Honig) やアルコール (特にラム <Rum>) を香りづけとして入れることもあります。これが伝統的なバウムクーヘンの材料となります。
最近では、ナッツ (Nüsse) 、マジパン (Marzipan)、ヌガー (Nougat) を入れたバウムクーヘンもよく売られています。
一方、「バームクーヘン」は日本独自のものであり、保存料が入っていたり、チョコレートでコーティングされていたりします。様々な味のバームクーヘンがあると思いますが、こういったものはドイツでは、正式なバウムクーヘンとは認められません。バームクーヘンはドイツのバウムクーヘンから発想を得た、日本独自のお菓子といえますね。
3. バウムクーヘンの歴史
バウムクーヘンの起源はハンガリーもしくはギリシアと言われています。ドイツでは少なくとも1450年頃から食べられているようです。その時代の現在のフランクフルト (Frankfurt am Main) や、ニュルンベルク (Nürnberg) 地域では、有名な結婚式用のケーキとして食べられていました。
16世紀、17世紀には焼き方が変わっていったと言われています。また、その当時は現在のレシピよりも砂糖が控えめで、バラの水と砂糖を混ぜたもので砂糖衣をまとわせていたようです。
今日のレシピは18世紀頃完成したと言われています。この頃から、バウムクーヘンは家庭で作られるものではなく、ケーキ職人 (Konditor / in) によって作られるようになります。
4. ドイツでのバウムクーヘンの位置付け
先ほどの歴史からもわかるように、ドイツにおいてはバウムクーヘンは特別な時に食べるケーキとなります。現在でも結婚式の時にも食べられています。また、誕生日や入学祝などの重要なイベントの時に食べられるケーキとなります。
バウムクーヘンは焼く手間がすごくかかるケーキとなり、ケーキ職人の中にはバウムクーヘンが一番大変なケーキという人もいます。そのため、バウムクーヘンはケーキが基本的に安いドイツ (約10€ / 1ホール) では、すごく高価なケーキ (約20€ / 500g) です。高価であることが、おそらくドイツで普段バウムクーヘンを食べない理由だと思われます。
5. バウムクーヘンが有名な都市
バウムクーヘンが有名な都市はドイツにいくつか存在します。
おそらく最も有名な都市は、ザルツヴェーデル (Salzwedel) だと思います。ザルツヴェーデルのバウムクーヘンは2010年からEUによって特産品として認められています。その他の都市では、ドレスデン (Dresden)、コットブス (Cottbus) のバウムクーヘンも有名です。
6. ドイツのおすすめのバウムクーヘンショップ
Konditorei Heinemann(コンディトライ ハイネマン)
シャンパントリュフで有名なお菓子屋さん。デュッセルドルフに数店舗あります。ハイネマンの商品はどれも美味しく、お土産に最適!特にバウムクーヘンは、この店の逸品です。一口サイズにカットしたものも売っています。
バウムクーヘン以外にも種類豊富なケーキやチョコレート、クッキーなども買うことができます。2階はカフェになっており、ランチや軽食も楽しめますよ。
Cafe Kreutzkamm Dresden(カフェ クロイツカム ドレスデン)
こちらはドレスデンに行ったら是非立ち寄って欲しいカフェの一つです。店舗は白に統一されており非常にお洒落です。お店の前にはイートインスペースもあるので、観光で疲れた時の休憩に最適です。バウムクーヘンは薄く切って食べるのが特徴です。
クリスマスのお菓子Stollen(シュトレン)や、ザクセン・ドレスデン名物Eierschecke(アイアーシェッケ)などもとても有名です。Eierscheckeは、カステラのようなチーズケーキです。ふわふわした食感がたまりません。
Holländische Kakao-Stube (ホーランディッシェ カカオシュテューベ)
ハノーファーにあるこちらのお店。日本のデパートに出店されたことでも有名になりました。
オランダのバンホーテンのココアや生クリームが乗ったホットチョコレートが有名なお店ですが、バウムクーヘンもとても美味しいです。このお店は内装がとても素敵で雰囲気が良いので、できればイートインがおすすめ。小分けになったバウムクーヘンも売っていますので、お土産にも最適です。パッケージが可愛いので、きっと喜ばれますよ!
まとめ
今日はドイツのバウムクーヘンについて紹介しました。ドイツに来たら、是非本場のバウムクーヘンを探してみてくださいね!
Guten Appetit!!
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