【Lektion 15】ドイツ語の冠詞 (Artikel)

Grammatik (文法)

こんにちは。Naschkatzen(@Naschkatzen1)です!


今回のテーマは、「冠詞」です。


ドイツ語の冠詞と聞くと、「der」、「die」、「das」を思い出す人も多いと思います。

最初はめんどくさいルールだと感じると思いますが、冠詞を覚えることによって、文章の内容が理解できやすくなります。

覚えるのに始めは苦労しますが、非常に重要なLektionなので、しっかりと基礎を覚えていきましょう!


1. 冠詞とは

「冠詞」とは、英語でいう “a” や “the” のことで、名詞の前につき、「その名詞の特定性」を表すもののことです。

ドイツ語の冠詞は英語と同様、「定冠詞」と「不定冠詞」に分けられます。そして、名詞の「性」と「格」によって変化する特徴があります。

つまり、名詞の性を覚えておかないと、正しい冠詞も使えないことになります。


冠詞の変化は覚えることが大変で、ドイツ語を難しく感じてしまう原因の一つですね。

日本語は冠詞をあまり重要視しない言語ですが、ドイツ語では非常に重要です。

少しずつ慣れていくことが大切ですので、一緒に頑張っていきましょう!


2. 「定冠詞」と「不定冠詞」の違い

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ドイツ語の冠詞には「定冠詞」と「不定冠詞」の2種類があります。

一言で違いを説明すると、「定冠詞」は特定できる名詞に、「不定冠詞」は特定できない名詞につきます。

具体例を見て、「定冠詞」と「不定冠詞」の違いを学んでいきましょう。

定冠詞の例文
  Ich habe die Katze.  (その猫を(1匹)飼っている。) 

不定冠詞の例文
  Ich habe eine Katze.  (ある猫を (一匹) 飼っている。)


この例文からもわかるように、定冠詞は「その」と何を示しているのか明確な名詞に用いられます。

一方で、不定冠詞の場合は、「あるひとつのもの」で、具体的に特定されていない名詞に用いられます。

例として、ある猫の写真を見せられたあとに、「Ich habe die Katze.」と言われると、「猫」が具体的に特定されることになるので、定冠詞の”dieが使われます。

一方で、「私は猫を飼っているよ。」と言われても、どんな猫なのか具体的にはわからないですよね。その場合は、不定冠詞の” eine”が使われます。

日本語では「定冠詞」と「不定冠詞」を気にすることはほとんどありませんが、ドイツ語を話すときや書くときは、その名詞が「明確」であるかどうかを気にしましょう。


ここまでのポイント
  • 「定冠詞」は、そのものが特定できる場合に用いられる
  • 「不定冠詞」は、そのものが具体的に特定できない場合に用いられる

   →いずれも名詞も前に付き、「性」と「格」によって変化する。


3. 定冠詞と不定冠詞の格変化

定冠詞と不定冠詞の違いにわかったところで、次は、冠詞が「性」と「格」によってどう変化するかを学びます。

こちらが、重要な、「冠詞の格変化表」です。

定冠詞の格変化表

男性名詞女性名詞中性名詞 複数形 
1格(Nominativ):〜が、〜はderdie dasdie
2格(Genitiv):〜のdes + -(e)sder des + -e(s)der
3格(Dativ):〜にdemder demden
4格(Akkusativ):〜をdendiedasdie




不定冠詞の格変化表

男性名詞女性名詞中性名詞 複数形 
1格(Nominativ):〜が、〜はeineineein
2格(Genitiv):〜のeines + -(e)seiner eines + -e(s)
3格(Dativ):〜にeinemeiner einem
4格(Akkusativ):〜をeineneineein



この格変化表は、暗記するしかありません。ただし、定冠詞と不定冠詞の変化は非常に似ていることがわかりますね。

基本的には、「定冠詞」を覚えてしまえば、不定冠詞もマスターしやすいです。黄色でハッチングした部分だけ注意して覚えましょう。

口に出して呪文を唱えるように覚えるようにしてくださいね(笑)

4. 冠詞に注意が必要な名詞

ここで、「不定冠詞」に関して、重要事項を説明いたします。

先ほども記述しましたが、「不定冠詞」は「ひとつのもの」を示す名詞の前につけられます。そのため、複数形の場合は絶対に不定冠詞をつけることがありません。

また、不加算名詞 (unzählbare Nomen / Substantive) には冠詞 (Artikel) 自体がつかないことが多いです。(例えば、Wasser, Milchなど)

もし冠詞がある場合も、定冠詞のみとなります。なぜなら、不加算名詞は「ひとつの~」ということができないからです。

さらに、抽象的な概念の名詞 (abstrakte Nomen) にも、不定冠詞がつかないことが多いです。代表的なものでいえば天気に関することは、「ひとつの~」と数えられません。日本語でも「ひとつの天気」なんて言わないですよね。

「不加算名詞」と「抽象的な概念の名詞」の代表例は、前回のLektion 14 の表で取り上げているので、気になる方はそちらもチェックしてみてくださいね。

5. 定冠詞・不定冠詞の変化表

実際の変化を表を見ながら、覚えていきましょう。

Lektion-15-Artikel

Genitiv (2格) は早くても、Bレベルからしか出てこないので、それまではその他の変化をしっかりと覚えていきましょう。

5. 否定形を使用するときの変化表

名詞を否定するときには、名詞の前に “kein” をつけます。この “kein” も名詞の「性」と「格」によって変化するので注意しましょう。

<例文>
Ich habe Zeit. ⇔ Ich habe keine Zeit.
(時間がある。⇔ 時間がない。)
このように、名詞の前に “kein” がつくと否定形になります。

Lektion-15-Artikel-mit-kein

6. 問題

それでは、格変化表を見ながら、問題にチャレンジしましょう!

<1格(Nominativ)>

  1. その女性は、ミュンヘンに住んでいます。
    (   )Frau wohnt in München.
  2. その家は、とても古い。
    (   )Haus ist sehr alt.
  3. ある医者はドイツ語を勉強する。
    (   )Arzt lernt Deutsch.
  4. ある日本人女性は、テニスをする。
    (   )Japanerin spielt Tennis.
  5. 両親は、日本へ旅行します。
    (   )Eltern reisen nach Japan.

解答:1. Die 2. Das 3. Ein 4. Eine 5. Die

<3格(Dativ)>

  1. 私はその先生に答えます。
    Ich antworte (   )Lehrer.
  2. その車はその男性のものです。
    Das Auto gehört(   )Mann.
  3. その携帯電話は、ある日本人女性のものです。
    Das Handy gehört (   )Japanerin.
  4. 彼はある女性にバラを贈る。
    Er schenkt (   )Frau eine Rose.
  5. その子供はその幼稚園の先生に絵を見せます。
    Das Kind zeigt (   )Kindergartenleiter ein Bild.

解答:1. dem 2. dem 3. einer 4. einer 5. dem

<4格(Akkusativ)>

  1. 私のガールフレンドは1匹の犬を飼っています。
    Meine Freundin hat (   )Hund.
  2. 彼はその本を買います。
    Er kauft (   ) Buch.
  3. 私の友人はその先生に質問する。
    Mein Freund fragt (   )Lehrer.
  4. 私たちはある日本人男性を訪れる。
    Wir besuchen (   )Japaner.
  5. 君たちは宿題をする。
    Ihr macht (   )Hausaufgaben.

解答:1. einen 2. das 3. den 4. einen 5. die



お疲れ様でした!

次回は、Lektion 16「所有代名詞」を学びます。

Naschkatze
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Auf Wiedersehen!!

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