こんにちは。Naschkatzen(@Naschkatzen1)です!
今回のテーマは、「冠詞」です。
ドイツ語の冠詞と聞くと、「der」、「die」、「das」を思い出す人も多いと思います。
最初はめんどくさいルールだと感じると思いますが、冠詞を覚えることによって、文章の内容が理解できやすくなります。
覚えるのに始めは苦労しますが、非常に重要なLektionなので、しっかりと基礎を覚えていきましょう!
1. 冠詞とは
「冠詞」とは、英語でいう “a” や “the” のことで、名詞の前につき、「その名詞の特定性」を表すもののことです。
ドイツ語の冠詞は英語と同様、「定冠詞」と「不定冠詞」に分けられます。そして、名詞の「性」と「格」によって変化する特徴があります。
つまり、名詞の性を覚えておかないと、正しい冠詞も使えないことになります。
冠詞の変化は覚えることが大変で、ドイツ語を難しく感じてしまう原因の一つですね。
日本語は冠詞をあまり重要視しない言語ですが、ドイツ語では非常に重要です。
少しずつ慣れていくことが大切ですので、一緒に頑張っていきましょう!
2. 「定冠詞」と「不定冠詞」の違い
ドイツ語の冠詞には「定冠詞」と「不定冠詞」の2種類があります。
一言で違いを説明すると、「定冠詞」は特定できる名詞に、「不定冠詞」は特定できない名詞につきます。
具体例を見て、「定冠詞」と「不定冠詞」の違いを学んでいきましょう。
定冠詞の例文
Ich habe die Katze. (その猫を(1匹)飼っている。)
不定冠詞の例文
Ich habe eine Katze. (ある猫を (一匹) 飼っている。)
この例文からもわかるように、定冠詞は「その」と何を示しているのか明確な名詞に用いられます。
一方で、不定冠詞の場合は、「あるひとつのもの」で、具体的に特定されていない名詞に用いられます。
例として、ある猫の写真を見せられたあとに、「Ich habe die Katze.」と言われると、「猫」が具体的に特定されることになるので、定冠詞の”dieが使われます。
一方で、「私は猫を飼っているよ。」と言われても、どんな猫なのか具体的にはわからないですよね。その場合は、不定冠詞の” eine”が使われます。
日本語では「定冠詞」と「不定冠詞」を気にすることはほとんどありませんが、ドイツ語を話すときや書くときは、その名詞が「明確」であるかどうかを気にしましょう。
3. 定冠詞と不定冠詞の格変化
定冠詞と不定冠詞の違いにわかったところで、次は、冠詞が「性」と「格」によってどう変化するかを学びます。
こちらが、重要な、「冠詞の格変化表」です。
<定冠詞の格変化表>
男性名詞 | 女性名詞 | 中性名詞 | 複数形 | |
1格(Nominativ):〜が、〜は | der | die | das | die |
2格(Genitiv):〜の | des + -(e)s | der | des + -e(s) | der |
3格(Dativ):〜に | dem | der | dem | den |
4格(Akkusativ):〜を | den | die | das | die |
<不定冠詞の格変化表>
男性名詞 | 女性名詞 | 中性名詞 | 複数形 | |
1格(Nominativ):〜が、〜は | ein | eine | ein | – |
2格(Genitiv):〜の | eines + -(e)s | einer | eines + -e(s) | – |
3格(Dativ):〜に | einem | einer | einem | – |
4格(Akkusativ):〜を | einen | eine | ein | – |
この格変化表は、暗記するしかありません。ただし、定冠詞と不定冠詞の変化は非常に似ていることがわかりますね。
基本的には、「定冠詞」を覚えてしまえば、不定冠詞もマスターしやすいです。黄色でハッチングした部分だけ注意して覚えましょう。
口に出して呪文を唱えるように覚えるようにしてくださいね(笑)
4. 冠詞に注意が必要な名詞
ここで、「不定冠詞」に関して、重要事項を説明いたします。
先ほども記述しましたが、「不定冠詞」は「ひとつのもの」を示す名詞の前につけられます。そのため、複数形の場合は絶対に不定冠詞をつけることがありません。
また、不加算名詞 (unzählbare Nomen / Substantive) には冠詞 (Artikel) 自体がつかないことが多いです。(例えば、Wasser, Milchなど)
もし冠詞がある場合も、定冠詞のみとなります。なぜなら、不加算名詞は「ひとつの~」ということができないからです。
さらに、抽象的な概念の名詞 (abstrakte Nomen) にも、不定冠詞がつかないことが多いです。代表的なものでいえば天気に関することは、「ひとつの~」と数えられません。日本語でも「ひとつの天気」なんて言わないですよね。
「不加算名詞」と「抽象的な概念の名詞」の代表例は、前回のLektion 14 の表で取り上げているので、気になる方はそちらもチェックしてみてくださいね。
5. 定冠詞・不定冠詞の変化表
実際の変化を表を見ながら、覚えていきましょう。
Lektion-15-ArtikelGenitiv (2格) は早くても、Bレベルからしか出てこないので、それまではその他の変化をしっかりと覚えていきましょう。
5. 否定形を使用するときの変化表
名詞を否定するときには、名詞の前に “kein” をつけます。この “kein” も名詞の「性」と「格」によって変化するので注意しましょう。
<例文>
Ich habe Zeit. ⇔ Ich habe keine Zeit.
(時間がある。⇔ 時間がない。)
このように、名詞の前に “kein” がつくと否定形になります。
6. 問題
それでは、格変化表を見ながら、問題にチャレンジしましょう!
<1格(Nominativ)>
- その女性は、ミュンヘンに住んでいます。
( )Frau wohnt in München. - その家は、とても古い。
( )Haus ist sehr alt. - ある医者はドイツ語を勉強する。
( )Arzt lernt Deutsch. - ある日本人女性は、テニスをする。
( )Japanerin spielt Tennis. - 両親は、日本へ旅行します。
( )Eltern reisen nach Japan.
解答:1. Die 2. Das 3. Ein 4. Eine 5. Die
<3格(Dativ)>
- 私はその先生に答えます。
Ich antworte ( )Lehrer. - その車はその男性のものです。
Das Auto gehört( )Mann. - その携帯電話は、ある日本人女性のものです。
Das Handy gehört ( )Japanerin. - 彼はある女性にバラを贈る。
Er schenkt ( )Frau eine Rose. - その子供はその幼稚園の先生に絵を見せます。
Das Kind zeigt ( )Kindergartenleiter ein Bild.
解答:1. dem 2. dem 3. einer 4. einer 5. dem
<4格(Akkusativ)>
- 私のガールフレンドは1匹の犬を飼っています。
Meine Freundin hat ( )Hund. - 彼はその本を買います。
Er kauft ( ) Buch. - 私の友人はその先生に質問する。
Mein Freund fragt ( )Lehrer. - 私たちはある日本人男性を訪れる。
Wir besuchen ( )Japaner. - 君たちは宿題をする。
Ihr macht ( )Hausaufgaben.
解答:1. einen 2. das 3. den 4. einen 5. die
お疲れ様でした!
次回は、Lektion 16「所有代名詞」を学びます。
Auf Wiedersehen!!
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